Lesson9-4 準備期 海外遠征

機内環境

海外遠征はアスリートにとって大きなストレスになります。

そして海外へと赴く前に、島国である日本から海外へ行くには飛行機であれ船であれ、機内での長時間移動が基本となってきます。船内ならある程度動き回っても問題ないですが、移動時間の短い飛行機が採用される為、狭い飛行機内でほとんど同じ姿勢でいなければなりません。

行動範囲が限定される上に、飛行機移動では水分補給にも気を使わなければなりません。

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長距離便の場合、機内の湿度は20%以下になると言われています。湿度20%以下になると乾燥注意報が発令するほどの乾き具合になるため、体の水分がどんどん失われていきます。

機内で激しい運動をすることもなく汗をかく場面もほとんどないため水分補給が必要ないと思われがちですが、湿度による乾燥にも気を付けなければなりません。とくにアスリート達は体調を正常に保たせるためにもこまめに水分補給をして、潤しておきましょう。

それと長い間同じ姿勢でいると体の節々に無駄な負荷がかかってしまうので、リフレッシュの為にもトイレの移動などで少しでも動くようにしてください。もし可能であれば、周りの乗客に迷惑にならない程度のストレッチも行うようにしましょう。

機内食

海外遠征の大きな問題の1つに時差という物があります。

この時差によって生じる生活リズムの狂いをきちんと把握しておかなければ、現地で充分に力を発揮することができません。そしてその時差が大きければ大きいほど、リズムを整えるのに苦労します。

しかし、その時差を整えるための行動を機内で行う事が出来ます。それが食事です。

時差があまりなく、特に狂いが生じないようでしたらドリンクやスナックなどのサービスで終わりますが、大きく変化するようでしたら機内食が振る舞われます。主に到着する現地に合わせて食事時間や睡眠時間が飛行機ごとに設定されるので、機内の指示に従ってリズムを整えるようにするのが無難です。

しかし機内食は一般向けに作られた物であり、アスリート向けに作られた物ではありません。

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そのため普段よりも油分が多めだったり、ビタミン、ミネラルが少なめだったりと少々栄養バランスが崩れている場合が少なくありません。このような場合に備えて、自身でも栄養学を学んで栄養バランスの調整を行わなければなりません。

動けない事もあって消費エネルギーは少ない状態なので、普段練習後に食べる量にはせず炭水化物を1食分だけ確保し、できるだけ日本で食べられているサイズのメニューにするようにしましょう。海外だと日本より大きめのサイズで作られることが多々あるので、相手に全て合わせると過食になってしまいます。

それと油分は出来るだけ取り除くようにし、デザートや付け合わせのスナック類はきちんと成分を確かめて食べるかどうか判断してください。そして足りない栄養素がある場合は用法容量を守ってサプリメントなどの栄養補助食品を使用するようにしましょう。