競技力向上よりも健康重視
「プロとしての活動を止めてプライベートでスポーツをする」、「技術系のスポーツで未だに現役」など、中高年の方でも喜々としてスポーツに明け暮れる方がいらっしゃいます。
スポーツを楽しむ気持ちは尊重しますが、気持ちだけではどうにもならない事も出て来ます。それは体の衰えです。体が若い頃と違うと頭では分かっていても、いざスポーツを始めると若い頃の感覚で行ってしまい『現在の体』に無茶を強要させてしまいます。
そのような無茶を行ってしまうと体に大きな負担を与えてしまい、ケガの発生が多くなります。
そのため中高年でスポーツを行う方はまず、「若い頃と体が違う」という意識をちゃんと持たねばなりません。もし長くスポーツを楽しみたいのであれば、その意識をきちんと認識しましょう。
現在の体に合った食生活で体の健康を維持し、そこからスポーツの為のエネルギーを摂取しましょう。若い頃はスポーツを行うために『栄養を補給』していましたが、この年代になるとスポーツを行うために『健康を維持』するようにしましょう。
過去の記憶をなぞるのは危険
上記で説明したように中高年になると若い頃のように動くことが出来ません。しかしスポーツを行う時の感覚は全盛期のイメージを投影してしまう事が多く、体に合わない無茶をしてしまいがちです。
過去に行ったトレーニングなどを行う事は別にいいですが、時代の流れによって解明された非効率さを改善したり、自分の体に見合わせてトレーニングの質を変えたりと時代に合わせるようにしましょう。
年齢に応じた食事内容
若い頃に比べて筋肉が衰えただけでなく、消化器官などの内臓の働きも衰えてきます。そのため健康に良いと言われる食材でも、量とバランスに気を付けなければなりません。
たとえば高いエネルギーを保有する食材として代表的な卵やチーズなどもコレステロール値の上昇の原因になったり、生活習慣病の原因になりかねないので食べる量を考える必要があります。
また、次第に感じるようになった体の衰えから恐怖感を覚え、健康に良い栄養食品、サプリメントなどの栄養補助食品に手を出してしまうかもしれません。それ自体は健康の事に気を使った良い行動ではあるのですが、使用する際にはどの栄養を補給したのかちゃんと理解しておかなければなりません。
もしちゃんと把握していないと1つの栄養素を過剰に摂取してしまって、逆に栄養バランスを崩しかねません。栄養補助食品を使用する場合には用法容量をきちんと理解したうえで、使用しましょう。
細かい現状確認
食事でもトレーニングでも、急に変化すると体が驚いて対応に遅れてしまいます。たとえば何もスポーツを行っていなかったのにいきなりハードなトレーニングを始めると筋肉痛になったり肉離れをしてしまったりと、体に過度なダメージを与えてしまいます。
そのため何かしら変化をもたらす時には少しずつ行い、体に『変化するための準備』をさせます。
短期間のうちに変化の準備を行わせ、体に合うようなら次の段階へと進み、合わないようなら止めるようにしましょう。そして体に合うかどうかのデータは本人の気持ちだけでなく、可能なら健康診断や血液検査などの細かい確認も行うようにしましょう。
少々面倒だと感じてしまうでしょうが、目に見えないところでも変化の影響が出ているのがこの年代のこわい所なので、細心の注意をはらうようにしてください。