スポーツと名の付くもののほとんどは少なからず走る物が多く、体作りの一環としてランニングを行う事も多々あります。その時、ランニングなどで地面に足を叩きつけているとその衝撃によって赤血球が壊れやすくなります。
体中に酸素を運ぶ赤血球が少なくなると充分に酸素が行き渡らなくなり、体が思うように働かず貧血を起こしてしまいます。そのためスポーツ選手にとって貧血は起こりやすい症状の1つとして考えられています。
しかし貧血にも十分な備えを行っていれば十分対処が可能な症状です。このページでは貧血についての知識と予防の食事法などについて学んでいきます。
スポーツ貧血とは?
上記で説明したようにスポーツ選手はランニングなどのトレーニングで赤血球を壊しやすく、貧血に陥りがちです。また、これ以外にも食事による鉄分摂取不足、消化管や尿への出血などトレーニング中の体調管理に失敗して起こる貧血をまとめて「スポーツ貧血」と呼びます。
スポーツ選手の貧血の主な原因は鉄分の摂取不足とランニングによる鉄損失が原因であるため、正式には『鉄欠乏性貧血』と呼ばれます。
発汗でも失われる鉄分
鉄分はただ壊れるだけでなく、外へと出されることでも失っていきます。外へと出ていく経路は尿や汗になり、1日に約1mgの鉄が外へと出ていきます。さらに女性の場合はこれに加えて月経血として1日当たり約0.5mgの鉄分が失われることとなります。
スポーツ選手の場合、試合やトレーニングなどで汗をかく機会は多々あります。さらに周りが暑くなる夏場には短時間で2~3Lの汗をかくことも珍しくありません
汗1Lの中には平均して約0.5mgの鉄分が含まれており、汗を流せば流すほど多くの鉄分を減らすこととなります。そのため貧血になり易いのは夏場から秋口にかけての時期になり、夏合宿や強化練習中に起こる事も多々あります。
自覚症状はすぐに出ない
鉄欠乏性貧血の判定には赤血球数やヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、鉄栄養素状態の指標である血清鉄やフェリチン、総鉄結合能など、様々な要素を割り出さなければなりません。さらに貧血の症状は徐々に表れてくるので、貧血だとすぐに判断することは出来ません
体内の鉄欠乏はまず、正常な状態から貯蔵してあった鉄が減少したことによって起こる『前潜在性鉄欠乏』が発現します。そして貯蔵鉄が完全になくなると、次に血清鉄が減少していきます。
この段階では貧血という自覚症状はほとんどありません。しかし自覚がないだけにいつ貧血になってもおかしくないとても危険な状態です。そして最終的には赤血球、ヘモグロビンが減少していき、鉄欠乏性貧血、高度鉄欠乏性貧血へと繋がっていきます。
貧血の症状としては軽い運動でも息切れや動悸がしたり、めまい、食欲不振などの神経障害や胃腸障害、体温低下など、様々な不調が現れひどくなると、日常生活にも支障が出て来ます。