今まで持久力と筋力、それぞれの方向性に合わせた食事法を説明してきましたが、スポーツはそれら1点に的を絞った内容の物だけではありません。サッカーや野球のように広いコートで緩急の差をつけて走り回ったり、バレーや卓球など瞬間的な力を何度も発揮しなければならないスポーツ、そのどちらも行うテニスやラグビーなど、スポーツにも様々な形が存在します。
これらに合った食事法をこのLessonで説明していきます。
移動距離の長い球技
まずはサッカーなどのように比較的長い距離を走る競技について説明していきます。このような競技の場合、必要となって来るのは最後まで安定した水準でプレイしきる持久力です。いくら技術力が高くチームに貢献できるとはいえ、少なくとも1試合を乗り切れるほどの体力がないと扱いづらい選手になってしまいます。
そのため、持久力に必要となって来る筋グリコーゲンの貯蔵、つまり炭水化物、糖質の摂取が重要になってきます。さらに運動後も失ったグリコーゲンを速やかに回復できるよう手軽に栄養補給が出来る準備もしておきましょう。
また、ラグビーやアメリカンフットボールなどの比較的体格の大きい選手が多い種目では、筋力の維持や体作りが必要となるため、同時にたんぱく質も摂るようにしなければなりません。
狭いコート内で行う球技
狭いコートでは長時間走り回る事は少ないですが、その代わり全力疾走を連続して行ったり、瞬発的な力を何度も発揮しなければならないことが多いです。このタイプの競技は何度も筋肉に負荷をかける事となるので、怪我をする確率も高く、体作りと同時に怪我の防止にも重視しなければなりません。
また、テニスのように長時間の試合が当たり前、卓球やバドミントンは風の影響をなくすために窓も閉め切って行う競技の場合、普段よりも十分に気を付けて水分補給を行わなければなりません。
このように瞬発力が必要とされるスポーツでも、持久力が必要な物は数多くあります。そのため持久力を鍛えるために炭水化物を摂取すると同時に、体作りに必要なたんぱく質も調整しながら食べるようにしましょう。
他にも、負荷に耐えうる筋肉を作るためにもエネルギーとなる炭水化物と筋肉を作るたんぱく質はもちろんの事、ビタミンCやカルシウムなども適量含まれたバランスの良い食事をとるべきです。
球技系のスポーツの場合、どうしても恵まれた体格や積み重ねた技術などが重視され、栄養面は後回しにされることも少なくありません。しかし勝ち上がって上位に上り詰めるほど、体の完成度が勝負にモノを言うようになってきます。
もちろん技術で体の差をねじ伏せて勝ちあがって行く人もいます。しかし体と技術、その両方を併せ持つようにすればより高みを目指し易くなります。
食事は持久力、筋力、どちらかに偏らせることなく、両方とも均等に育てられるように栄養を摂ってベストコンディションをキープできるようにしましょう。