Lesson4-2 食事のとり方 持久力 その1

まずはローパワー系の競技、持久力が必要となって来る競技の食事法について説明していきます。マラソンやトライアスロンなどの長時間運動を持続させるものや、ボートやテニスなどのように長時間戦う持久力と共に瞬発的な筋力も必要とするものもありますが、どちらもそこまで食事法が変わる事はありません。

基本的にはどちらの競技も体内にどれだけのエネルギーを蓄えられるかが勝負の分かれ道となります。

2つのグリコーゲン

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運動中のエネルギーとなるのは筋肉や肝臓の中にあるグリコーゲンと、皮下脂肪のように体内に貯蔵される脂肪の2種類です。

グリコーゲンとは、糖質が消化されて小さなグルコース(ブドウ糖)へと変換、吸収されていき、体内で再結合された物です。筋肉の中に貯蔵されているグリコーゲン(筋グリコーゲン)は筋肉を動かす源となり、肝臓へと貯蔵されるグリコーゲン(肝グリコーゲン)は主に脳を動かすためのエネルギー源となります。

運動できない状態

基本的に短時間、中程度の強度の運動などでは筋肉や肝臓に貯蔵されているグリコーゲンが主なエネルギーへと変換されます。しかし運動時間が長くなってくるとグリコーゲンだけではまかない切れず、脂肪もエネルギー源として動員されます。

もし度を越えた長時間運動を行ってしまうと、筋グリコーゲンがなくなって疲労困憊を起こして運動が続けられなくなったり、肝グリコーゲンがなくなると血糖値が低下して思考能力だけでなく集中力や注意力も低下してしまいます。

このような状態でトレーニングを行ったとしても練習した内容が身に入らず、それどころか判断力が鈍くなってケガを起こす確率の方が高くなってしまいます。長時間の運動にも耐えうる体を作るために少々無理をしたトレーニングも存在しますが、体が資本の職業なので練習には全力で取り組み、その上で水分補給と同時にこまめに休憩も行うようにしましょう。

グリコーゲンの回復

グリコーゲン

グリコーゲンの貯蔵量は肝臓に約100g、筋肉に約250gほどで、脂肪の貯蔵量に比べて少ないです。そのため持久力を維持する為には毎食炭水化物を多く含む食事をとり、トレーニングで使ったグリコーゲンを毎回補給しなければなりません。

毎回の食事できちんと炭水化物を摂っておけば、次のトレーニングまでに消耗したグリコーゲンの量を回復させることができます。十分に補給が行えていれば24時間後には筋グリコーゲンは元の状態へと戻ると示されています。

一方、低糖質食、つまり炭水化物の摂取量を減らしていると筋グリコーゲンの回復がままならなくなります。さらにそのような状態を続けば筋グリコーゲンの貯蔵量自体が減っていき、持久力が次第に低下していきます。

グリコーゲンは運動終了後に、なるべく速やかに摂取した方が回復が早くなります。そのためトレーニング終了後に手早く食べることができるおにぎりやバナナなどを持参していると良いでしょう。