Lesson3-3 6番目の栄養素 飲み方

水分補給の重要性に理解していただいた事でしょうが、ならばいつ、どのようにして水分補給を行えば効率が良いのか、その答えについて説明していきます。

水分の量

気温の高さや湿度による環境の違い、風邪や腹痛などの体調の違いにより、その日の発汗量は変わってきます。ですが、基本的には競技前に250~500mlの水分を摂り、競技中には汗の量の50~80%を補給するというのが原則となります。

しかし水分は一気に飲んでも全てを吸収することができないので、こまめに飲んで総量がそろえば構いません。

目安として練習前の水分補給はしっかりと行い、練習中は20分に1回をペースとして給水していきます。この方法を繰り返して1時間の練習で合計500~1000mlの水分補給を行えれば上出来です。

しかし試合などでこまめに水分補給が出来ない場合には飲めるタイミングを見計らって飲むようにしましょう。

水分補給に最適な飲み物

水分補給を行うには普通の水でも構いませんが、スポーツ選手など発汗量が多い方にはそれでは足りません。

人間の体内にある水分、体液にはナトリウムやカリウムなどの電解質と呼ばれる物質が含まれています。この電解質によって体温調節や筋肉の収縮が行われており、とても重要な働きを持っているのです。

体液がまともに働くためには、体液の量とその成分としての電解質の量が一定量存在していないと十分な働きを行ってくれません。汗は水分と同時にこれらの電解質も排出してしまうので、水分補給は単に失った水分を補うだけの行為ではないのです。

そして失った電解質も一緒に補充できることが水分補給の理想形となります。それが行えるベストな飲み物と飲み方が下記の項目をクリアしたものになります。

ベストな水分補給

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  • 水温は5~15℃に冷えた物
  • 給水タイムは20分ごとに1回
  • 1時間の練習で合計500~1000mlを目安に
  • 100ml中の水分の量に対して0.2%程度の塩分、ナトリウム量40~80mg
  • 30分間の運動量で250~500mlの水分を摂る
  • 5%程度の糖分を含んでいると吸収にもよい

一般的にはこれらの項目をクリアしているスポーツ飲料を飲むことをお勧めします。ですが多すぎる糖分、ジュースなどの場合は水分量に対して余分な量のエネルギーが残ってしまう可能性が高いので、避けるようにしてください。

また、スポーツ飲料以外にもミネラルを含む物も有効なので、麦茶なども採用されています。

水分不足による熱中症はスポーツ選手だけでなく、誰にでも起こり得ます。それこそ夏場に部屋でじっとしていたとしても発症してしまうほど、ありふれた症状なのです。そのため普段はもちろんの事、運動前後、運動中は特に十分な水分補給を行うようにしましょう。