Lesson3-1 6番目の栄養素 水

6番目の栄養素

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一般人にも言える事ですが、スポーツ選手にとって水分補給はとても重要な行動です。そのため水本来には特に目立った栄養素が含まれていないにもかかわらず、『6番目の栄養素』としてとても重要視されています。

体を作っている筋肉の基になるたんぱく質やエネルギーとなる炭水化物、それらを順調に機能させるために使われるビタミンやミネラルといった形でそれぞれに役割がある中、なぜ特に栄養になるわけでもない水分が重要視されているのでしょうか。

その答えは簡単で、人体を構成する割合で水分が最も多くの割合を占めているからです。男性の場合は体重の約60%が水分を占めており、女性の場合は50~60%を占めています。

しかもこの水分は体中の機能を働かせるうえで常に必要となってきて、体を動かしていなくても常に減っていきます。そんな状態でも水分は減っていくのですから、体を動かして心肺機能や筋肉を激しく使うスポーツ選手は毎回大量の水分を使用しています。

エネルギーへの変換に呼吸や汗、排泄などの代謝だけでなく、細胞内液や血液、リンパ液の成分として使われるなど、多種多様な形で使われる水分は私達の体にとって必要不可欠な成分なのです。

水分を失う

ジョギング

人の体温は体内で発生した熱とそれを放熱する熱のバランスがとれている為、ほぼ一定の状態に保たれます。しかし気温が高まったり運動をして体温が上がると、体温を下げようとして汗が出て来ます。これは体が高温になって体機能に異常が発生しないために行われる人体の仕組みなのです。

しかし汗となって外へと出てしまった水分は体の中に戻ってくることはなく、そのまま外へと流れ落ちて行ってしまいます。これは汗だけに限らず、代謝機能が正常に働く限りどうしても水分は外へと排出されてしまいます。

水分を失った状態では体はうまく働くことができないので、新しく水分を補給する必要があります

もし水分補給が不十分だと、血液が濃縮されて内臓に負担をかけたり、皮膚を通して熱を体外に放出することが困難になり、最悪脱水症状を起こして倒れてしまう危険性もあります。

水分補給の方法

発汗によって体重の約1%の水分を失ってしまいますと、体温が約0.3℃上昇します。脱水症状が進み、体重の約3%相当の水分が失われると運動能力だけでなく、体温調節機能の低下も現れてきます。

さらに5%まで脱水が進みますと熱による腹痛や吐き気をもよおし、持久力も著しく低下します。さらに悪化して10%まで進みますと熱射病や幻覚症状に陥り、命の危険にさらされることとなります。

体温調節がうまくいかない子供はもちろんの事、スポーツ選手でも休憩の合間を縫って随時水分補給を行うようにしましょう。