消費エネルギー
1日のエネルギーは主に基礎代謝、食事誘発性熱産生、活動の為のエネルギー、この3種類を全て合わせた量になります。それぞれの説明は下記の通りになります。
- 基礎代謝:安静状態での体温維持、吸収、心拍など生きていくために最低限必要なエネルギー
- 食事誘発性熱産生:消化・吸収の為に食後上昇するエネルギー代謝(摂取エネルギーの約10%)
- 活動の為のエネルギー:勉強や仕事、スポーツなどで使用するエネルギー
この3種類のうち、定期的にスポーツを行っている方は活動の為のエネルギー量が増え、他にも一般的に体が大きくなれば基礎代謝量が増えたりと、その人の生活スタイルや体の違いによって、エネルギー量は変化していきます。
このエネルギー量の変化には性別の違いや職業で体を動かすかどうか、年齢によって変わる体の調子、体格の大きさなど、様々な項目からエネルギー量の大小は変わってきます。
一般人でもこれほど多くの項目でエネルギー量が上下するですから、体の根底から違うアスリートたちにとってはより多くの観点からエネルギー量の算出を行わなければなりません。
常に体を動かしている上に、身に付けた筋肉によって体が大きくなったアスリート選手たちは一般人よりもはるかに多くのエネルギーが必要となり、大量に食事をする習慣が付きます。そのためスポーツに携わっていた人たちが引退後、体を動かさないことと今まで慣れ親しんだ食事量を変化しない2つの事柄によって、太ってしまう事態に陥ってしまう場合も少なくありません。
一般的な成人の1日の摂取エネルギーが1800~2800kcalなのに対し、スポーツ選手の場合は2500~4500kcalと2倍近くのもエネルギーを欲しているので、上記のような事態に陥るのもうなずけます。
栄養バランスへの配慮
日常的にたくさんのエネルギーを消費する人の場合、体の各組織が新しい物へと入れ替わる新陳代謝が早く、それと同時に体内の栄養素の消費量も多くなります。毎日の食事で必要なエネルギーと栄養素をしっかりと摂っていかないと、体調不良や貧血、けが、集中力の低下など、体に不利益な状態が現れてしまいます。
これは一般人はもちろんの事、プロとして生活しているスポーツ選手にとっては一大事で、すぐにでも食生活の改善に取り掛からなければなりません。
また、好き嫌いによって栄養バランスを崩してしまう事は言語道断な行動です。
もし嫌いな物が他の食べ物でも代用できる栄養ならばまだ大丈夫ですが、「野菜全部が嫌い」「魚介類の生臭さが苦手」など、食生活に取り込むべき食材が嫌いな場合は苦手の克服に力を入れなければなりません。
それぞれの栄養バランスに加えてエネルギー量など、食事の献立をよく考え、コンディションを整えることがパフォーマンスの向上と健康維持・増進へと繋がっていきます。