アスリートと一般人の違い
現代に数多く存在するスポーツでプロとして活躍しているアスリート選手たちに対して、私達一般人と違う点は何処にあるのでしょうか。
魅力的なプレイを何事もないように実行する才能や、日々繰り返して体に染み込ませた堅実なプレイをこなす努力の結晶など、プロとして体の機能を十二分に発揮して私達の心を奮わせてくれます。
しかし彼らがプロとして生きていくのはなにも試合に臨む時だけではなく、生活の全てをスポーツに捧げる覚悟と精神力を兼ね備えたからこそ、プロになれたのです。
ならば生活の全てをスポーツに捧げるとはどのような事なのか、その一例を紹介して行きます。
まずは日々のトレーニングが必要になります。毎日自分の体を磨くこともせず、ただ試合の場にだけ登場するようでは自分の力を発揮できませんし、サポーターを魅力することもできません。
そして生活のリズムも我々と異なってきます。自国だけでの活動ではどうしても限界がある為、時には海外遠征や規模が大きくなると世界大会に出場することもまれにあります。時差や食生活、文化など慣れない土地で自身の持てる力を十二分に発揮するのはとても困難な事です。ですがそうも言ってられないプロはその壁を乗り越え、実績を築き上げていかねばなりません。
さらにここからが今回の講座の主題、食生活、栄養についてです。
ただ健康に過ごすだけならば3食決まった時間にそれぞれの栄養バランスがとれた食事を食べれば良い、と説明すればよいのですが、アスリート達にはそれだけでは足りないのです。
たとえば少々基準値を超える体重であったとしても、一般人の場合は規定枠内に収まっていれば大丈夫です。ですが長距離走の陸上選手など長い距離を走り続けなければならない競技にとっては1kgの体脂肪は大きな負荷になりますし、逆に当たり負けしない筋肉と脂肪が必要になる相撲取りにとっては軽すぎては体を壊してしまいます。
このようなケースにそれぞれ対応するには体の根底を変えなければならず、日々の訓練だけでなく食生活から「アスリート専用」の物にしなければならないのです。
ただ筋肉を付けさせるためにたんぱく質を多く摂らせよう、体脂肪を減らすために炭水化物や脂質は抜きにしよう、などと単純にはいかず、日々のコンディションや個人の体機能に合わせて変えていかなければなりません。
しかしそこまで思いつめなくても大丈夫です。私達の食事でもぜい肉が気になり出したらご飯の量を減らしたり、風邪気味だったら消化に良い物を作ったりとほぼ同じように食事の対処を行っています。それがアスリート寄りになって多少細かくなっただけです。
スポーツ栄養の理想形は個人の体に合わせた競技に活躍できる食事です。
この講座ではそれぞれの系列に沿った食事法を紹介していきますが、どの方法が対象となる人物に合うのか調べ上げ、最高のスポーツ栄養を提供しましょう。