Lesson10-2 試合期 お弁当

栄養素の確保と傷み防止

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午前中の短い時間だけで済めば特に問題ありませんが、試合、大会になると午前午後と長い時間をかけて行われることがほとんどです。もっと大きな大会になると数日かけて行う場合もあるほどで、試合の合間を見て食事休憩が取られます。

しかし、試合会場で自由に調理できる場所があるとは限らず、いつも通りの食事をとることができません。

場所によってはコンビニですぐに買えたり、食事処を探して食べる事も可能です。しかし食事処ではアスリートが望むような食事が提供できるとは限らないし、コンビニの商品だと脂質の割合が多かったり多用すると添加物による影響も現れる可能性があります。

そんな時に必要となって来るのがお弁当です。

お弁当に詰め込む料理はいつも通りの食事、献立で構いません。試合に勝つよう願掛けの意味合いも込めて普段は作らないような手の込んだ物にしがちではありますが、あまり突飛な物にしてしまうと体がすぐに受け入れることができず、消化に時間がかかる可能性があります。

そこまでこだわりは見せず、シンプルな物、慣れている食べ物の方が体も順調に消化してくれるので、そちらの方が試合中の栄養補給に適しています。

また、お弁当という事もあって近くに買い食いできる場所がない限り、持って来た分の量でしか栄養補給が出来ません。もしお弁当の量が少ないと、エネルギーの少ない状態で午後の試合に臨まなければなりません。

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大まかな目安として1リットルの水が入るお弁当箱に主食、主菜、副菜を詰め込んだ場合に約1000kcalになります。普段の摂取エネルギーや試合時の運動エネルギーを計算し、消費エネルギーに見合う分だけの食事を詰め込むようにしましょう。

そしてお弁当の天敵ともいえる「傷み」の対策も行っておきましょう。

細菌が活動しやすい温度、湿度の場所に食べ物を放置しておくと傷みが生じます。そしてお弁当箱は中身がこぼれない様に密封性が高いため、湿気も細菌も外へと出て行かず、熱がこもると中の食材を傷ませていきます。

とくに生物を中心に傷みやすくなるため、お弁当のおかずは火を通した物がお勧めです。既に過熱して余熱を取った物であれば傷む心配はほとんどありません。

それと素早いエネルギー補給用として果物やヨーグルトを持って行く際には外からの熱を通さないクーラーボックスや、温度を低い状態で保たせる保冷材を使用するなど、様々な工夫で傷みを防ぐことができます。

それと「傷み」対策として濃い味付けにすることも十分効果はありますが、味付けの程度に気を付けなければなりません。もし味が濃すぎると喉が渇き易くなってしまい、運動時の水分補給に狂いが生じてしまいます。味付けもいつも通りの物で充分なので、調味料の加減に気を付けましょう。

また、時間の都合や食欲衰退から1度に全てのお弁当を食べきれる事が難しい場面も出て来ます。そういう場合はおにぎりやサンドイッチなど、小分けにして食べられるお弁当が活躍します。他にもラップで包んで小分けにしている物があればこまめに食べる事が可能なので、相手にとって『食べやすいお弁当』を研究してみましょう。